
サイクルファクトリーアライ外観 武田店長と奥さんの和美さん

サイクルファクトリーアライは埼玉県ふじみ野市、上福岡駅前に店を構える。スーパー西友のすぐ前という好立地条件のスポーツサイクル専門店だ。商店街だけに人通りも多く賑やか。
店内には完成車、フレーム、パーツが所狭しと並べられる。どれもすべてスポーツバイク用品でその品揃えにまず圧倒される。ママチャリ系の商品は置いていない。「光りモノは少ないけれど、スペアパーツなどのサイクリストが必要とするものは、いつでも対応できるように充分な数を置いていますよ」と、"店長タケダ”こと武田稔(たけだ・みのる)さん。
武田さんなのになぜ「アライ」?という疑問は、お店の由来とともに説明していこう。武田さんは1962年生まれ(には見えない若さ!)。自転車を趣味としだしたのは中学時代から。出身の静岡は沼津周辺をランドナーで走り回った。500円札をポッケに、伊豆の戸田峠まで遠乗りしてはへとへとになって帰ってくる自転車少年だった。そして乗ることと同様にメカいじりが好きだった。ロードレーサーの美しさに惹かれ、ギア板に穴を開け、パーツを磨く日々。いつかは自分で自転車を造りたいと思うようになる。
工業高校2年生の頃、進路を決めるにあたって漠然と「クラブチームのあるプロショップをもちたい」「イタリアに渡ってフレームビルダーになりたい」と2つの夢を思い描くようになる。まず、イタリアの工房に修行に行くことを考えた。しかし時代は今と違い海外渡航がままならないとき。日本国内でその夢を叶える職場を探した結果、当時"片倉シルク号"で人気の、マニア車の製造で一目置かれた片倉自転車工業(東京・福生市)に入社することになる。求人などなかったが、自ら修行したいとの思いで入社を果たす。スポーツ車のフレーム製作の仕事に就き、武田さんにとって夢のような生活が始まる。
しかし叶ったかに思えた夢が一度挫折を迎える。人当たりの良さ、豊富な自転車の知識がかわれ、会社から営業職を任じられてしまったのだ。プロショップ経営への興味も暖め続けていた武田さんは、この機をプラスに転じるように捉えた。大阪のナショナル自転車でも販売職を経験し、経験も積んだ。
| ↑スポーツバイク&用品が所狭しと並ぶCFアライの店内 |
| ←作業スペース前にはラウンジがあって雑誌をめくりながらくつろげるスペースとなっている |
現在のサイクルファクトリーアライは、片倉シルク在職時代からの先輩である荒井正(あらい・ただし)さんが開店したショップだ。荒井さんはかつてジャイアントジャパンの創業時以来の幹部スタッフとしてしられるビジネスマン。ジャイアントジャパンへ入社する際に武田さんにお店を引き継いだのだ。ちなみに荒井さんはジャイアントジャパンの要職を離れた今、再びシルクブランドを引き継いだ
絹自転車製作所を興し、クロモリフレームのハンドメイド自転車の製作に没頭している。
今でもときどきお店に顔を出す荒井さん曰く「フレーム製作者からプロショップ経営者へ、そしてマスプロメーカーの提案するバイシクルビジネスの世界へ、そしてまたオーダーフレーム製作の道へ戻った。原点に還っただけ。いい自転車とは、お客さん=乗り手のことが分かったうえで造るのが一番。それを実現するには"オーダー"や"カスタムメイド"という手法が一番という、高級な遊び道具なんです。スポーツ車=オーダーメイドという世界を実現するには、道具を提供する側が技量を磨き、お客さんひとりひとりに対して適切なモノを提供する、という面で不変なんです。"マン・ツー・マン"それがサイクルファクトリーアライのお店のコンセプトです」と話す。

武田さんと荒井さんは、職場とお店という舞台を変えながら、常に"マン・ツー・マン"コンセプトの追求を続けてきたわけなのだ。だから、ショップでお客さんに自転車を購入して頂く際には、その人が何を目的としてどんな自転車に乗りたいのか、その先どういう乗り方に発展する可能性があるのかなどの聞き取りに充分時間を割き、車種選びの相談に乗る。そして購入するバイクが決まったら、採寸やポジション出しに時間をかけて、その人に最適なバイクを創り上げていく。
そして購入してもらったバイクでクラブランに来てもらえれば、一緒に走った上で、パーツ交換やポジション変更をお客さんと一緒になって考える。その時間を充分確保するために、地域で要望の多いママチャリ販売やパンク修理は現在一切行っていない。

計測した数値は個人それぞれのカルテに記録してその後の変更に対応する
CFアライの店内にはじつに4つの採寸器が設置されている。簡易的なもの、ミリ単位でバイク各部のサイズを煮詰めるもの、ペダリング出力を掛けながらポジションを決める本格的なもの、そしてカラダの各部位(身長、股下、上背、腕の長さなど)を測定するものを使い分けながら、お客さんにとってのベストフィッティングを割り出していくのだ。
かなり時間のかかる作業だが、スポーツサイクルを楽しむためには不可欠な要素なので、おろそかにはしない。そのうえでお客さんの希望とあわせてバイクを選びだす。そして納車時にはメーカー出しのまま渡すのでなく、ポジションを完璧にあわせ、注油ワイヤリングやホイール振れ取りに時間をかけて組みなおしてから渡すという。だから、店頭にあるバイクをすぐ渡すというケースはほとんどない。もちろん購入してからのアフターサービスもバッチリだ。
「なんでも気安く、存分に当店を利用して、末永くご利用してくださいね」と武田さん。
フレームサイズを簡易的に計測する採寸器。乗車ポジションの大まかな目安になる
ハンドルの幅や地面からの高さなど、自転車のあらゆる数値を測定・記録することができる採寸器
ペダリング負荷をかけた状態でポジション出しができる採寸器で各部のサイズ、位置を煮詰めていく
フルオーダーでの製作も可能なイタリアンバイクMURACA。メインビルダーはアライ出身の日本人、佐野貴昭さんだ
愛車ムラーカを駆る武田さん夫妻。身体にあわせてオーダーしただけにフィット感は抜群とか
エンメ・ロッシンのフレームが店内に僅かに残る。名工マリオ・ロッシンの手による名作だ

かつてのようなオーダーメイドで自転車を選ぶという世界から、現在は市場にある製品から最適な製品を組み合わせて、その人に適したバイクを選ぶという考え方に変わってきた。しかし本来の「スポーツバイクは個人に合わせた自転車を提案するもの」という理想を叶えるのが、サイクルファクトリーアライが日本代理店をつとめるMURACA(ムラーカ)だ。ムラーカはイタリア有数の工房だが、じつはアライ出身の日本人、佐野貴昭さんがメインビルダーをつとめる工房なのだ。
大手メーカーのOEM生産もこなすムラーカでは、超軽量クロモリからアルミ、そしてカーボンフレームまでフルオーダーで製作が可能だ。最先端のカーボンフレームを生み出すオートクレーブ釜さえ備えた工房と、CFアライの店頭は武田さんと佐野さんの"ホットライン"で結ばれている。
「ペダリングイメージに合ったバイク」「体格にフィットするカーボンバイク」「フルカーボンのシクロクロスバイクをサイズフルオーダーで造りたい」「オートクレーブ製法のカーボンバイクをマイスケルトン、オリジナルマークで」etc...、どんな要望であっても希望を伝えることでフルオーダーすることが可能なイタリアンブランドなのだ。決してメジャーブランドでないムラーカだが、日本のトップレースシーンで選手が駆る姿を良く見かける理由もお分かりいただけるだろう。「最新の素材のイタリアンバイクをフルオーダーで造りたい」と思った人には、検討に値するブランドだ。
ムラーカの佐野さんは、CFアライで修行した後イタリアへ渡り、かつてコルナゴの凄腕職人として働きアワーレーコードを樹立したエディ・メルクスに供給した軽量フレームを作ったイタリア人、マリオ・ロッシン氏に師事してフレーム製作を学んだ。その名残で、CFアライの店頭には今でもM ROSSIN(エンメ・ロッシン)の幻のフレームがいつくか残っている。「これはよっぽどのお客さんにじゃないと売れないなぁ」と武田さん。

イエロー&オレンジのジャージで目立つCFアライレーシングは、どこのレース会場でもおなじみの存在だ。クラブの人数は多く、ロードレース、MTB、シクロクロスと、国内トップクラスのレースで活躍する本格的な選手も多い。「クラブの充実」が武田さんが重視するもうひとつの点だ。
クラブランはほぼ毎週末行っている(もちろんレースがあるときはレースに出かける)。主な内容は、朝8〜9時にふじみ市役所前に集合し、脚力別に班を分けて70〜120kmほど走る。向かうのは鳩山や秩父近郊。武田さんももちろん走るが、最近は新しく増えた初心者の伴走役をすることが多い。一緒に走りながら参加者へのアドバイスとサポートをすることを重視している。"ママ"こと奥さんの和美さんも走り、女性ライダーのサポートもする。
「練習会という色合いは濃いけど、もっと初心者系の人が増えたらお気楽サイクリング系の走行会もしたいですね。敷居の低いクラブですから、これから始める人もぜひお気軽に。私は同じ目線でお客さんと一緒になって走ることで学ぶことがあるし、その人に何を勧めればいいか、ポジションをどうすればいいか等アドバイスできますから」と武田さん。「私は女性レーサーの良き相談役。女性特有のお悩みも、私が解決しますよ」と和美さん。
武田さん自身はホビーロードレーサーとしてツール・ド・おきなわなどにも参加(07年は高江関門でリタイヤ)。忙しいながらも自分で走ることはやめていない。和美さんもかつて市民レースで優勝&上位入賞を多数経験した実力の持ち主。5度の出産歴(!)がありながらレース活動を継続している。そして夫妻の子供たちも地元高校の自転車競技部にすすみ、一家まるごと自転車生活を送る。
「ショップ経営とクラブ運営、5人の子供との家庭生活、ホビーレーサーとしての自分に必要な練習、レース活動...すべて諦めていません。すべてをこなすには時間がいくらあっても足りないけど、それをうまくやるのが僕の性分にあっているんです」と武田さん。
アライレーシングのメンバー。老若男女、幅広い層の人達が楽しんで参加している
店先にはクラブの活躍した新聞のスクラップが飾られる。自転車部で活躍する息子と娘の記事も
のどかな商店街の店先にはベンチスペースがあり練習帰りに休憩することもできる

オーダーメイドのように身体にフィットさせるために
自転車の購入を考えている方は、ご来店のうえ、どんな自転車が欲しいか、どんな乗り方をしたいのか、その先レースやスポーツライドに使う可能性があるのか・ないのか、ざっくりと可能な購入予算などなど、自転車を選ぶ場合の判断基準をなるべく多く店長タケダに教えてください。店長が希望を最大限尊重しながらおすすめの自転車のタイプや価格帯をアドバイスします。
採寸器を使って、あなたの体格に最適なフレームサイズ、ステム長、ハンドル幅などを割り出していきます。腕の長さなど身体の部位を測る採寸器、自転車のサイズをおおまかに決める採寸器、ペダリングしながら乗車姿勢を決めるポジショニングマシンの3つを用意しています。
適したサイズの、お気に入りのブランドや車種...。店内のストックで適したバイクが見つかる場合もありますが(その確率は30%程度です)、ない場合はメーカーより取り寄せになります。在庫不足が顕著な最近はオーダーから手元に届くまで時間が掛かるケースがあるので出たいイベントなどがある場合は早めのご来店をおすすめします。
現物をポジショニングマシン上にセットして、フィーリングを伺いながらサドルの高さやハンドル幅などを調整しながら乗車姿勢を決めていきます。この数値をカルテに残し、記録や変化に対応していきます。
購入したバイクで週末ロード練習会に参加
バイクを購入したら、ぜひクラブランに参加してください。店長タケダ、タケダママ、そして面倒見のいいクラブ員が一緒に走ります。バイクに対する悩みやポジション出しのアドバイスが可能です。また電話や来店などでリクエストしていただければ、平日でも週末でも午前中に限り伴走走行ができます。是非ご利用下さい。
週末練習会にはロード練習会のほかにビギナーMTBツーリング、ビギナーROADトレーニングなど参加者の顔ぶれで構成を変えていきます。キッズ&初心者、おじさんライダー、お子様ライダー、レディースライダー誰でも歓迎!
メンテナンスでばっちり安全・快適性能を維持
どこで購入したバイクでも点検、グリスアップ、オーバーホールは歓迎です。料金表もホームページに明示していますので安心してお越しください。また急なアクシデントの来店で困らないよう、スモールパーツも充実させています。
一緒にレース&イベントに出ましょう
アライレーシングでは各種ロードレースやヒルクライム、耐久レース、MTBレース、シクロクロス、アドベンチャーレースなどにエントリーしています。普段の週末練習会で一緒に練習した仲間とレースを走れば楽しさ倍増。店長タケダ、タケダママもアテンドします。


サイクルファクトリーアライ
| 住所 |
〒356-0004 埼玉県ふじみ野市上福岡1-10-1 1F |
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049-261-4623 |
| FAX |
049-261-4671 |
| 営業時間 |
10:30〜20:00 |
| 定休日 |
火曜日 |