コルナゴのフレームは、一見して他より明らかに細い。しかし、ラスムッセンがツールで山岳賞を二度取っていることを見れば判るように、剛性面をはじめとしてパフォーマンスにはまったく不足はないのだろう。
細身のチューブで、他に負けないだけの剛性が出ているということはつまり、コルナゴが使っているカーボンの質が高いことの証明である。その出所は明らかにされていないが、フェラーリのF1マシンに使われるのと同等のカーボンを採用しているようだ。
余談になるが、昨年、一昨年と山岳賞を獲得した時のラスムッセンは、なんと四万kmも乗ったフレームを使っていたというから驚きだ。一般的にカーボンは、寿命が長い素材であるとされているが、プロ選手の高出力にそれだけ長く耐え続けるのは、やはり並大抵ではないだろう。高品質カーボンを使えば、チューブの外形寸法を無闇に上げなくても、必要充分な剛性を出すことができる。同じ剛性が出ているのなら、細い方が軽いし、空気抵抗が小さいことは、いまさら言うまでもないだろう。エクストリームパワーの、ぱっと見目立ったところのない、例外的にスレンダーなフォルムは、実は、素材面での妥協を一切廃した機能美によって構成されているというわけだ。
しかもエクストリームパワーには、世界的に例のない、ダブルバテッドが施されたチューブが使われている。その製作技術もさることながら、チューブの厚みに差ができると、応力集中は避けられないため、使っている素材によほど確信がなければ、おいそれと実現できないはずだ。ラスムッセンのバイクのシートチューブに、ボトルゲージ取り付け穴がないのも、チューブの薄肉が原因なのだろう。高品質素材も、時には思わぬ弊害を生むということか。
チューブの接合方法には、高密度のヒートプレスによる接着構造が採用されている。この工法は、もっとも軽く、もっとも高剛性なフレームを作るのに適しているという。もちろんC50も同じ工法で作られている。また、相変わらずインテグラルヘッドを採用しないところなどにも、実戦重視の思想が現れている。
レースシーンのトップを走りつづけているコルナゴ。その歴史と実績は、やはり伊達ではないのである。 |
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