アンチインテグラルヘッド、ホリゾンタルトップチューブなど、最先端のフォルムの中に、そこはかとないクラシカルな雰囲気を漂わせていたトレックは、このマドン6.9PROで、従来までの印象を完全に覆してしまった。
インテグラルヘッド&スローピングトップチューブを採用したそのフォルムは、シートピラーレスデザインも相まって、一目見ただけではトレックとは信じられないほどの変わりようだ。フロントフォークの下側ベアリングは1,5インチとなり、いっそうの剛性向上に成功している。また、下玉押しをフォークの根元に一体整形することで、従来使ってきたアルミ製の玉押しを廃し、さらなる軽量化に成功している。
剛性確保のコンセプトは、ボトムブラケットにまで及んでいる。BBベアリングは、90mm幅でBBシェル内に直接配置され、横剛性が48%も向上。また、ベアリングカップが不必要になったことで、40gもの軽量化にも成功した。
シートチューブの外側に配されたシートステーは、それだけでも高い横剛性の確保が可能(ステー間の距離が広がりねじれにくい)になるのに、ステーの間の空間をカーボンで満たすことで補強がされ、よりいっそうの剛性確保を実現している。ヘッド、ボトムブラケット、そしてシートステー上端の三点の剛性の有無は、ねじれ強さに大きく影響してくる部分だけに、目立たないが効果的な処理だ。
いっぽうシートチューブがやや細いように見えるのは、必要最小限のしなやかさを求めた結果かもしれない。これは逆に言えば、剛性確保の要であるダウンチューブとチェーンステーの設計がうまくいっていることの証明であり、またさらに言えば、今後の開発の方向性に余裕があることも意味している。
異形デザインこそ導入されたが、シートステーが微かに湾曲しているのをのぞけば、フレームチューブはほぼストレートで無駄がなく、これまでトレックが歩んできた、効率最重要視の開発コンセプトは一貫しているといえるだろう。
小柄で軽いライプハイマーは、使用パーツの強度に腐心する必要がないせいか、サドルやステムに軽さを重視したものが使われている。STIレバーはかなりアップライトに取りつけられ、在りし日のランスを彷彿させる。 |
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