このヘリウムは、モノコック製法を採用したことにより、フレームの各チューブをつなぐラグによる重量増がないことが特徴だ。その結果、リドレーのラインナップ中最軽量の1.09kgというフレーム重量を実現している。
ノアと同様に、ジョイント部分には40T(T1000)、メインチューブには30T(T800)カーボンを採用し、剛性バランスの確保にも余念がない。また、ヘリウムの外装には4Kカーボンが施され、デザイン的な魅力も増している。
その軽さにそぐわない高剛性の源は、大径ラウンドダウンチューブの採用によって実現されている。ラグがないモノコックらしく、フレーム剛性に偏りがないがないことも、ダウンチューブの堅牢さが走りに反映される要因になっているようだ。
シートステーは、中央部が内側にベンドさせてあり、形状変形による積極的な振動減衰を狙っている。つまりチューブ自体が湾曲することで、振動を吸収しているのだから、相当厳密な剛性計算ができていなければ、性能低下につながってしまうところだ。
また、バイクを横から見てみると、シートステーはほんの微かだが、後方にも湾曲しているのが判る。この形状は、振動減衰性を確保しつつ、ホイールの路面追従性を向上させることに効果があるという。特にダンシング時に高い効果が期待でき、フレームの軽さも相まって、ヘリウムの名にふさわしい、山岳用バイクとしての高いパフォーマンスを発揮してくれるようだ。比較的振動減衰が苦手なモノコックフレームだけに、こうした工夫は効果が高いことだろう。
もちろん、ダウンチューブと並ぶ動力伝達の要・チェーンステイには、必要充分なボリュームを持たせ、ドライブトレイン周辺の剛性を高めることで、ただ軽いだけでなく高い走行性を実現しているのはいうまでもない。
オールラウンドタイプだが、どちらかといえば山岳を得意とするエヴァンスは、その小柄な体躯にふさわしく、短めのステムを使っている。しかし、サドルとハンドルバーとの落差は大きく、かなり前傾姿勢で乗っていることがわかる。
ハンドルバーはクラシカルシェイプで、前上がりにセッティングされている。レバーブラケットの握りやすさを狙ってのことと推察できる。山岳系選手の例にもれず、サドルは目一杯後ろに引かれ、持久力のあるハムストリングスを有効利用しようという意図が見受けられる。
アッセンブルは普通だが、メーカー不明のシルバーのアウターワイヤーや、タックス製のセラミックベアリングプーリーなどが、他とはちょっと違う雰囲気を醸しだしている。 |
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