春のクラシックでは、ジオメトリーが合わないために特別あつらえのアルミフレームを主に使用していたボーネンに、ツールではターマックSLの後継機種のSL2が与えられた。とはいえこのバイクは、ボーネンのためだけに作られたわけではなく、クイックステップへの供給が決まるより早く、開発は始まっていたという。当然の話だろう。急ごしらえのバイクで、05世界チャンピオンの脚を満足させることなど出来ようはずもない。
より高い剛性の確保を念頭に開発されたというターマックSL2は、その期待違わずボーネンによく応え、見事マイヨヴェールを獲得するにいたった。
ターマックSLとSL2は極めて相似で、トップチューブがより水平に近くなった以外、車名を変更するほどの差異は見あたらない。よりいっそうの高剛性を実現するにあたって、設計を根本的に変えるのではなく、カーボンの質の見直しや、積層の仕方を煮詰めるだけで済んだのだろう。現行モデルの高い完成度がうかがえる。
表立って判る変更点はフロントフォークくらいで、下側ベアリングが1,5インチサイズになり、いっそうのねじれ強さを実現している。ショック吸収性の確保のためか、シートステーはかなりの細身だが、これでボーネンが文句を言わないで乗っているのだから、かなり高弾性率なカーボンが使われているのだろう。ベンドデザインなどにせずとも、高弾性率カーボンを使えば、それ相当の振動減衰は期待できるのだ。ちなみにカーボンは、弾性率が高くなればなるほど振動減衰特性は高くなるのだという。
使っているハンドルバーは、契約ブランドのラインナップにはないシェイプなのが一目で判るし、サドルも相変わらずサンマルコ・リーガルであることが判ってしまう。若いながらもボーネンは、かなり機材に固執するタイプらしい。
ただ力任せにバイクの上でもがいているだけ(失礼)に見えるスプリンターだが、ポジション出しに神経質な選手は多いという。一滴たりともパワーを無駄使いできない極限状態で、彼らが勝負しているということの現れだ。 |
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