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プロロードレースで最も勝利を挙げているチームコロンビア-HTC。今年のツール・ド・フランスでは最速スプリンター、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)が6度ものステージ勝利をあげ、最終日のシャンゼリゼゴールでは後続を大きく引き離しての完全勝利を飾ったことは記憶に新しい。そんなレース常勝チームが駆る、まさに革新的な最強のバイクとして認知されているのがスコットだ。しかしスコット社は、スキーやその他のウィンタースポーツ、モトクロスなどでもその名を馳せている。

1958年、アメリカのアイダホ州サンバレーに住むエド・スコットは、竹製と鉄製ポールしか無かったこの時代に世界初のテーパーアルミ製のスキーポールを開発した。この革命的な発明によって、スコットブランドはスキーマーケットにおけるテクニカルリーダーとして確固たる地位を確立することになる。その後、世界で初めてのモトクロス専用ゴーグルを開発、ブーツやグリップ、周辺アクセサリーなどを展開してゆき、1978年にはスイス郊外のフリボーグにスコット・ヨーロッパオフィスを開設。世界市場へ向けての基盤を固めていった。そして1986年、スコット社として初のマウンテンバイクを発表し、自転車業界への参入を果たすこととなる。それ以降、スコット社は「革新」「パフォーマンス」「高品質」を会社の方針として製品開発を押し進め、スコットのバイクは自転車産業における必需品となってゆく。

そして1989年、世界初のエアロダイナミック・ハンドルバーが発表された。スコットは、ツール・ド・フランスで3度の総合優勝、世界選手権を2度制した戦歴を持つグレッグ・レモンとともに、空力的アドバンテージを見込めるであろうスキーレーサーの「スキータック(抱え込み)」ポジションを自転車の上で再現したいという考えから、このハンドルバーを開発したのだ。そして同年のツール・ド・フランス最終ステージでは、ローラン・フィニョンに50秒差で2位につけていたレモンが、パリでの個人タイムトライアルでこのハンドルバーを使用し、8秒差で逆転総合優勝を果たした。このツールは、史上最もエキサイティングな大会だったと多くの人に語られている。

自転車のみを製造するほとんどの自転車企業に対し、スコットはウィンタースポーツやモトクロスの製品などからも転換された製造と技術のノウハウの恩恵を受け、より柔軟な製品開発を行っている。これは他ブランドと差別化される貴重な要因であり、また現在スコットバイクが軽量、剛性、全体的なトップパフォーマンスの限界を絶えず押し進めていることで知られている所以なのだ。

カーボン技術における積み重ねた経験と専門的技術によって、現在スコットがカーボンフレームの第一人者であると言えよう。進行中の開発プロジェクトにおいて、スコットの技術者は絶えず既存の開発と製造プロセスを改良すべく新しい方法を模索し、更なる革新的で魅力ある製品が誕生し続けている。

2003年、CR1(Carbon Racing No.1)の登場とともに、カーボンフレームの時代が幕を明けた。スコットが特許を取得しているIMP(Integrated Molding Process)製法によってヘッドチューブ付近に使われる材料を11%削減することに成功。より軽量な構造を可能にしている。すべてのカーボンフレームに対する飽くなき挑戦は、このIMP製法が基準となり様々なカーボン繊維素材と融合することで具現化されている。

カーボンフレームの特性として必ずしも硬いフレームが最良ではない。スコットでは、「しなやかさ」・「軽さ」・「剛性」 の3要素が絶えず相互的に作用するという考えのもと、東レ製の最高品質カーボンを選択。さらに異なる複数のカーボン素材をフレーム各部分の特性に合わせて高次元で組み合わせ、他の追随を許さない独自のカーボンフレームを生み出している。その高品質カーボンの称号が“HMX” と“HMF”だ。スコットのカーボンテクノロジーは、次世代の「コンビネーション」へ進化している。